映画「Coming Out Story 〜カミング・アウト・ストーリー〜」公式サイト

   


 「Coming out story」は、2010年度の日本映画学校の卒業製作として作られ、
  その年の最優秀監督に贈られる「今村昌平賞」を受賞した。

  しかし、梅沢監督は映画の持つ「問い」に未だ、確固たる回答を出していないと感じ、
  卒業後、ひとり再編集を開始する。
  完成した本作品は、「第20回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」で上映されるなど、
  多くの反響を呼んだ。

  これは、「男」と「女」のあいだを揺れながら、
  心の底から湧き出る「わたし」という声を発せる場所を探し続ける人々の魂の記録である。







「わたし」にとって根っこにある「男」であること、もしくは「女」であること。

あまりにも当たり前なので、多くの人はあらためて自分に問うことすらないかもしれない性別というもの。
もし「男」であること、「女」であることを抜きにした自分というものを想像してみれば、 なにか自分の核を取り去られたような実体を欠いたあなたの像が浮かんでくるだけかもしれません。

「わたしは……」という根拠をなくしてしまったようなたよりなさ。
性別を越境するトランスジェンダーと呼ばれる人々は程度の差こそあれ、そのような現実を生きています。

生まれながらの性別とは逆の性別に強く同化しようとするひと、 社会的に望みの性別に認知されれば、身体的な移行までは望まないひと、 「男」、「女」というカテゴリーそのものを拒否したところに自分のあり方を求めるひと……

いまでは「歩くカミングアウト」と冗談まじりに自称するいつきさん。
そんないつきさんも十数年前に「トランスジェンダー」(性別を越境して生きる人々)という言葉を偶然、 目にするまでは、女性になりたいという自らの夢に「変態」というラベルを貼って、 心の奥底にひた隠すおじさんでした。
そこから「彼女」の笑顔の裏に隠された覚悟の旅がはじまります。

「ありのまま」、「自分らしさ」という言葉がどこか空疎に響く現在。
繰り返される出会いのなかで常に新しい「私」と「あなた」の関係を生きようとする土肥いつきと この映画の登場人物たちの声は性別やあらゆる属性を超えたところで、 あなたの魂の根っこに触れるだろうことを信じています。



梅沢 圭



(C)「Coming Out Story」/TOLLYWOOD/2011-2012